本日11月8日は行政書士試験!資格試験と実務の関連について改めて考えさせられました

こんにちは。

許認可申請と福祉の専門家、平松智実法務事務所の平松智実です。

 

本日、11月8日は行政書士の国家試験の日です。毎年11月の第二日曜日に実施され、今年は新型コロナウィルスの感染拡大の影響があったものの通常通りの日程で行われました。受験されたかはお疲れさまでした。

 

今年の行政書士試験の申込者数は全国で5万4847人と過去最多を記録したとのことです。独立開業が可能な国家資格であることや、初学者でも短期間の勉強で合格出来るという理由で割と人気があるようで毎年コンスタントに5万人程度の申し込みがあり、その内の約10%が合格します。

 

資格予備校や通信講座などでも「独立開業が狙える資格」などと書かれているのをよく見ますが、注意しておかなければならないのは、独立開業をして収入を得ようと思ったときに行政書士試験のために勉強したことの90%ほどは役に立たないということです。

 

行政書士試験の科目は、①基礎法学、②憲法、③民法、④行政法、⑤商法・会社法、⑥一般知識です。独立してから実際に行政書士業務として扱うことが多いのは許認可申請ですが、試験科目を見てもらえばわかるように試験と業務の関連は薄いと言えます。

 

契約書を作成したり遺言や相続に関する手続きを主要な業務にする行政書士もいるので、その点では民法の知識が役に立つことはありますが、行政書士試験全体の中に占める割合はごくわずかである上に、勉強した内容がそのまま使えるわけではありません。

 

行政書士試験で学ぶ内容は基礎中の基礎なので、相談を受ける際に最低限知っておかなければならない事項と考えていいと思います。そこから依頼を受けて収入を得ようと思えば、さらに生計を立てようと思えばもっと深い知識が必要です。

 

一生懸命勉強して合格し独立開業しても、0からのスタートになります。扱う業務を決めそれについてさらに勉強をしなければなりません。行政書士試験に合格して開業しようと考えている申込者の中でそのことをしっかり理解している受験生がどの程度いるのでしょうか。

 

かく言う私自身もそんなことは全く考えておらず、開業してからこのことに気づきました。さらに、収入を得ることができるように自分で扱う業務の勉強をしてある程度の知識を身に着けたとしても、依頼してくれる人を探すという壁にぶつかります。

 

商売は何でもそうだと思いますが、お客さんを見つけるのが一番難しく一番重要なことです。もちろんそのようなノウハウも行政書士試験では問われません。行政書士の資格を取るためには誰とも話さず自分だけの世界で勉強をしていれば良いでしょうが、合格し独立開業となった途端に多くの人に自分をアピールするという真逆のことをしなければならなくなるという矛盾が生まれます。

 

本日、受験された方の中で独立開業を目指している方がこのブログを読んだらがっかりしてしまうかもしれませんが、当たり前ですが行政書士として独立開業して活躍している行政書士もたくさんいます。少しでも早く現実に気づいて対策をしていかなければなりません。

 

独立開業を目指す方にとって行政書士試験の合格はスタートラインに立つ以前の段階、競技場に入るくらいの状態ではないでしょうか。

 

今後、行政書士試験に実務に即した科目、例えば「許認可」という科目が追加され行政書士の扱うことの多い許可申請についての知識を問われる問題などがあったら、おもしろいと思います。今年は建設業について次の年は飲食店の営業許可、次の年は産業廃棄物収集運搬業許可といった具合です。おそらくそんなことにはならないとは思いますが。

 

自分自身の経験から、試験に合格するということと開業して収益を上げるということは別物で試験と実務の差が他士業に比べて大きいということを行政書士試験の試験日ということで、改めて考えさせられました。

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