同意の必要な医療行為の対応はどうするべきか?知的障害のある方の成年後見

こんにちは。

許認可申請と福祉の専門家、平松智実法務事務所の平松智実です。

 

成年後見の申し立てをして後見人等(後見人、保佐人、補助人)が選任されると知的障害や認知症のために自分ですることのできない金銭の管理や契約を代わりにしてもらうことができます。原則として後見人のすることは「財産管理」と「身上保護」です。

 

財産管理は成年後見制度を利用している方(被後見人等(被後見人、被保佐人、被補助人))の預貯金を含む財産の管理をすること、身上保護は福祉サービスの契約の代理などをすることです。後見人等は生活していくのに必要な福祉サービスを利用したり必要なものを買ったりすることのお手伝いをします。

 

ある意味では後見人等は成年後見制度を利用している判断能力が欠如もしくは低下している方の親のような役割を果たすことになり、生きていくために必要なことのほとんどは代理することができます。しかし、1つだけできない重要なこと、それが医療行為の同意なのです。

 

 

医療行為というのは、手術をするかしないかの判断や胃ろうなどのような重大なものからインフルエンザの予防接種まで様々ですが、結論から言うと後見人等は医療行為に同意をすることはできません。医療行為に対して患者である本人が同意することができない場合は家族が判断をするというケースが多いと思われます。

 

厳密に言えば家族であっても患者本人に代わって医療行為に同意をすることはできません。しかし、実際の医療現場では患者という範囲を家族にまで広げて、家族の同意により医療行為をしているというのが現状のようです。

 

たとえ家族であっても判断することのできない問題を赤の他人の後見人等がすることができないというのはそれほど違和感がないと思いますが、では患者本人が知的障害などにより医療行為に同意することができない、家族もいないというケースではどうなるのでしょうか。

 

実はこのようなときにどうするべきか明確な判断基準はないのです。医療行為に同意できる人は誰もいないということになるので、医療行為は受けられないはずなのですが、例えば手術を受けなければ亡くなってしまうというときに同意する人がいないから放置するべきなのかということになります。この点は成年後見制度の制度上の穴も言えます。

 

今後、成年後見制度の運用を考えていく上で避けては通れない重要な問題の一つであり、実務上もとても悩ましい問題の一つとなっています。

 

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