成年後見だけじゃない!?制度の使い分けが重要!~知的障害のある方の親なき後~

こんにちは。

許認可申請と福祉の専門家、平松智実法務事務所の平松智実です。

 

知的障害のある方や親なき後を考えるときに成年後見制度の利用という選択肢はまず最初に思い浮かぶのではないでしょうか。確かに成年後見制度の利用は有力な選択肢の一つではありますが、それ以外にも親なき後の対策に使うことのできるものとして「信託」があります。

 

知的障害のある方ご本人の障害の程度、家族や親族の有無と関係性、財産の状況などの情報を考慮し、親なき後の対策としてどのようなことをするべきかを考えるのが良いと思います。今回は成年後見と他の制度やサービスの組み合わせについてお話していきます。

 

親なき後の対策として、成年後見制度の他に一般的なものが「信託」です。家族信託、遺言信託、生命保険信託などきいたことがある方も多いと思います。信託というのは、財産を誰かに預けておき定期的に知的障害のある方ご本人に決まった額を支払うというものです。

 

生命保険信託の場合だと親に生命保険をかけておき亡くなった時に保険金は銀行に預けられ、その後月々10万円がご本人に支払われるというようなサービスです。基本的には信託は誰が預かるかが異なるだけで基本的な仕組みは変わりません。

 

ここで問題になるのは知的障害のある方ご本人の障害の程度です。ある程度自分で判断をすることができて、一人暮らしをしているというような場合であれば月々お金が支払われるという信託の制度は使い勝手が良いかもしれません。無駄遣いの防止にもなるでしょう。

 

ただ、重度の知的知的障害で施設で暮らしているというようなケースだとどうでしょう。毎月お金が支払われようが自分で使うことが出来なければ、結局は成年後見人を付ける必要がでてきます。多額の財産を後見人が管理させないために信託という形をとるというケースはあり得るかもしれません。

 

また、財産が一定額を超えると成年後見制度利用の申し立ての際に信託を勧められることがあります。これを「後見支援信託制度」と言います。勧められるだけなので信託をしなくても良いのですが、断ると後見監督人が選任されることになります。

 

信託や後見監督人は知的障害のある方ご本人の財産が適切に使われるために役に立ちますが当然ですが費用がかかります。信託であれば信託財産の何パーセントか、後見監督人であれば後見人への報酬と同じかそれよりやや少ない程度です。

 

多額の財産がある場合は、信託を使うもしくは後見監督人が選任されるのどちらかなので、費用は必ずかかってきます。そうでない場合に信託制度を利用するかどうかは悩みどころです。成年後見制度を利用するのであれば信頼できる後見人を見つけて信託ではなくそのまま預けてしまった方が無駄な出費は避けられます。

 

また、ご両親が亡くなった後にご本人の支援者がいるかということも重要な検討材料です。親の兄弟やご本人の兄弟は最後までご本人の支援ができなくなる可能性が高いですが、ご本人の甥や姪が支援をしてくれるというようなケースであれば、家族信託のような形は有効であると思います。

 

このように多角的に様々な情報を考慮した上で、成年後見制度を利用するのか、誰を後見人にするのか、信託ならどのような信託をつかうのか、家族信託なら誰に預けるのかなど、最適な選択をしなければなりません。

 

平松智実法務事務所では成年後見制度の利用を含め、知的障害のある方の親なき後の対策について総合的なご相談をお受けしています。初回のご相談は無料ですのでお気軽にご連絡ください!

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