親は当然に子どもの代理ができる?~知的障害のある方の成年後見~

こんにちは。

許認可申請と福祉の専門家、平松智実法務事務所の平松智実です。

 

重度の知的障害のある方は自分で財産の管理をしたり契約をしたりすることが難しい場合が多々あるのではないでしょうか。そのような時に親や兄弟などの保護者が本人を代理して銀行から預金をおろしたり福祉サービスの契約をすることもあると思います。このような時に、知的障害のあるご本人が20歳未満であれば保護者の親権に服するので問題ありません。ただどんなに重度の障害であったとしても知的障害のあるご本人が20歳以上であれば親権が消滅するので理論上は保護者は知的障害のあるご本人の代理をすることはできないということになります。

 

預貯金の引き出しや契約については理論はともかくとして現実的には親や兄弟などが代理をすることでそれほど支障はないと思います。問題になるのは、相続の場合です。知的障害のあるご本人と保護者である親や兄弟が相続人になるときは代理をすることはできないので成年後見人が必要になります。このようなタイミングで成年後見の申し立てをするというケースがあります。

 

代理の問題に直面するか否かに限らず、成年後見制度を利用するタイミングはとても難しいのではないでしょうか。それぞれの家庭により事情が様々なので、これといった明確な基準がありません。個別の事情に即して判断をしなければなりません。特に知的障害のある方の場合は、成年後見制度を利用する期間が長いので、後見人選びは慎重にしなければならず、結果として時期が遅れるということも考えられます。

 

とりあえずは、問題がないということで成年後見制度の利用について保留をしているという方もいらっしゃると思いますが、少しずつ具体的な検討をしていくことをおすすめします。後見人が必要になるときが突然訪れる可能性も決してないとは言えません。

 

知的障害のある方の成年後見について検討されている方は、お気軽にご連絡ください。

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